生活習慣病である原発不明がんの予後は

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 原発不明がんは、生活習慣病のひとつで体細胞変異(体細胞が後天的に変異)で発症します。
 がんは、原発部位が特定されるのがほとんどですが、中には転移巣が先に見つかり、そこからの生検で病理組織学的にがんと診断はされても、原発部位がわからないものもあります。
 これを「原発不明がん」といいます。

 原発不明がんの診断時に半数以上は、複数臓器への転移を有しており、一般的に予後不良です。
 生存期間の中央値は6から9か月と短く、原発不明がんは多様であり、原発が推測され特定の治療をすれば予後改善が見込まれる患者群が存在するのも事実です。
 また原発不明がんの推測は、困難ですが、リンパ節転移のみ、肝転移がない、腺癌以外の組織、脳、肺、骨への転移臓器が1か所、血清アルブミン正常、LDH正常、performance status 0-1といった予後良好因子を有する患者群が存在します。
 さらに近年では、リンパ節のなかでも頭頸部、腋窩、鼠径リンパ節転移は予後良好である一方で、腹部骨盤リンパ節転移は予後不良と報告されています。

 原発不明がんの頻度は、すべての悪性腫瘍のうちの約1~5%とされ、最期までの経過を振り返った研究では、原発部位として多いのは膵臓(すいぞう)、胆道、肺と報告されています。
 原発不明がんのリスク因子に関してはほとんどわかっていません。
 しかし、近年の報告により原発不明がんの家族性発生が全体の2.8%に上り、また肺がん、大腸がん、肝がん、卵巣がん、腎がんの家族歴との関連が指摘されており、これらの情報から原発不明がんの遺伝的背景が明らかになる可能性があります。

 原発不明がん(CUP)は、まれな病気で、体内に悪性(がん)細胞が認められるにもかかわらず、がんが最初に発生した場所が明らかではありません。
 がんは、全身のどんな組織からも発生する可能性があります。
 原発がん(最初にできたがん)が体の他の部位へ拡がることも考えられます。
 このプロセスは転移と呼ばれます。

 通常のがん細胞は、がんが最初に発生した組織に存在する細胞に種類が似ています。
 例えば、乳がん細胞が肺に転移する場合があります。
 肺に転移したがん細胞は、もともと乳房で発生したため、乳がん細胞に似ています。

 しかし、場合によっては、医師ががんが転移しているところを発見したにもかかわらず、がんが体のどこで最初に増殖し始めたのか特定できないことがあります。
 このようながんは、原発不明がん(CUP)、または潜在性原発腫瘍と呼ばれます。



 原発不明がんの上の図は、不明な位置から体の他の部位(肺と脳)に拡がった原発腫瘍を示しています。
 原発がんが血液とリンパ系を介して体の他の部位に拡がり、転移性腫瘍を形成する様子を示しています。
 原発不明がんでは、がん細胞が体内で拡がっていますが、最初に原発がんが発生した位置は不明です。
 原発がんが発生した場所を特定するとともに、がんが拡がっている場所の情報を得るために、検査が実施されます。
 検査により原発がんを特定することができれば、そのがんはもはや原発不明がんとは呼ばれず、原発がんの種類に応じた治療が開始されます。
 しかし、時には、原発がんがどうしても明らかにできないことがあります。

 原発がん(最初にできたがん)が発見されない理由として、以下のいずれかが考えられます:
 ◦原発がんが極めて小さく、増殖が遅い。
 ◦体の免疫系が原発がんを死滅させた。
 ◦他の病態に対して実施された手術時に原発がんが切除され、がんができていたことに医師が気づかなかった。
 例えば、重篤な感染を治療するために実施した子宮摘出術の際に、がんが存在していた子宮が切除された場合などが考えられます。
 原発不明がんの徴候や症状は様々で、がんが体のどこに拡がっているかによって異なります。

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